アギーレ氏解任!! 原因となった海外サッカー賭博事情について調べてみた!
2月3日、日本サッカー協会(JFA)が記者会見を開き、大仁邦彌会長が法務委員長の三好豊弁護士同席の下で、ハビエル・アギーレ監督との契約解除を発表した。
監督解任については、一番の大きな要因は、スペイン検察が八百長疑惑でアギーレ氏を告発したことにあるだろう。
問題となった試合の経緯はこうだ。
2010-11シーズンのリーガエスパニョーラ最終節レバンテ対サラゴサ(1-2)の試合。サラゴサは降格圏に位置する状況で臨んだ最終節のレバンテ戦で、2-1の勝利を収めて残留を達成したが、この一戦で八百長行為を働いた疑いがもたれている。当時のサラゴサ会長アガピト・イグレシアス氏は、試合前に自チームの監督であったアギーレ監督と選手、合計10人の口座に金を振り込み、その現金を即座に回収していたとされ、合計96万5000ユーロをレバンテ側に手渡した可能性がある。
2006年5月 カルチョスキャンダル
ユヴェントスのルチアーノ・モッジ元 GM やアントニオ・ジラウド元 CEO らが主犯格とされ、組織的に審判(主審、副審)を買収、脅迫し、自チームに有利な判定を行うよう指示していた。また、イタリアサッカー連盟 (FIGC) の元会長であるフランコ・カッラーロや審判協会 (AIA) の元会長であるトゥッリオ・ラネーゼもこれに協力していたとされており、イタリアサッカー界の腐敗体質が世に知れ渡ることとなった。ユヴェントスの他にも ACミラン、フィオレンティーナ、ラツィオ、レッジーナが関与していた。
有名なものがワールドカップ(W杯)ドイツ大会直前に露見したイタリアの「カルチョ・スキャンダル」だろう。
ユベントスなどビッグクラブの幹部たちが長年にわたり、サッカー協会や審判協会のお偉方と結託して審判の指名や判定を自チームに有利なように差配していた。
イタリア検察の求刑
クラブチーム
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ユヴェントス:セリエA からセリエB への降格、2006 - 07 シーズンを勝ち点マイナス 9 からスタート、2004 - 05/2005 - 06 のスクデット剥奪
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フィオレンティーナ:2006 - 07 シーズンを勝ち点マイナス 15 からスタート
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レッジーナ:フィオレンティーナと同じ
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ACミラン:2006 - 07 シーズンを勝ち点マイナス 8 からスタート
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ラツィオ:2006 - 07 シーズンを勝ち点マイナス 3 からスタート
クラブ関係者
- ルチアーノ・モッジ(元ユヴェントス GM):5 年間の活動禁止、罰金 5,000 ユーロ
- アントニオ・ジラウド(元ユヴェントス CEO):5 年間の活動禁止、罰金 5,000 ユーロ
- アドリアーノ・ガッリアーニ(ミラン副会長):2 年間の活動禁止
- レオナルド・メアーニ(元ミラン審判係):5 年間の活動禁止、罰金 5,000 ユーロ
- ディエゴ・デッラ・ヴァッレ(フィオレンティーナ名誉会長):5 年間の活動禁止、罰金 5,000 ユーロ
- アンドレア・デッラ・ヴァッレ(フィオレンティーナ会長):5 年間の活動禁止、罰金 5,000 ユーロ
- サンドロ・メンクッチ(フィオレンティーナ代表取締役):5 年間の活動禁止、罰金 5,000 ユーロ
- クラウディオ・ロティート(ラツィオ会長):5 年間の活動禁止、罰金 5,000 ユーロ
という何とも重い懲罰となった。このスキャンダルは、自チームをより有利な状態に導くことであるが、八百長がしかけられる一番の原因は、
賭けを有利に導くこと
サッカーの試合を対象にした賭けは合法、非合法を問わず世界中で行われている。インターネットの普及はそのマーケットを飛躍的に拡大させたといわれる。
動くカネが膨らむほど人々の関心は高まるが、試合の結果を操作することで手に入るカネも大きくできるから暗躍する人間も増えていく。FIFAのブラッター会長が「賭けはゲームにとってもろ刃の剣」と語るゆえんである。
いわゆる八百長試合には大きく3つの種類がある。①試合の流れの中で、このままのスコアで終わってもいいと選手たちが判断した場合、勝手に無気力試合に突入する。②審判が買収される。③選手が買収される。
特に着目されるべきは③の選手が買収されるという事実だ。では、なぜ選手買収が頻繁に行われるのか?
それは、上記記載の通りインターネット普及によりサッカー賭博のマーケットが急激に伸びたためである。その背景にあるのが
ブックメーカーの存在である。
ブックメーカーの賭けの対象は、競馬から始まり、徐々に様々なプロスポーツや大学スポーツにひろがっていったが、スポーツ以外の賭けも存在する。その範囲は政治的選択や戦争の行方といったものから(ただし、イギリスでは、戦争に賭けることはタブーとされている)、クリスマスに雪が降るかどうかというものまで非常に幅広い。
サッカーだけで言ってもこれほどの賭けの対象がある。
Full Time Result=Match betting(3Way)
もっともオーソドックスな賭け方。
1試合90分の結果をHome/Draw/Awayの3択で予想する。
Correct Score(コレクトスコア)
試合の正確な得点を予想する。
Half Time/Full Time(ハーフタイム/フルタイム)
前半3way⇒後半3wayでどんな試合展開になったかを予想する。
前半0-0、後半で0-1なら Draw/Awayとか。
Goalscorer(ゴールスコアラー)
大きな試合に見られる賭け方。誰が点を決めるのか予想する。
Total Goals=Goal Line Over/Under(トータルゴールズ)
試合の総得点が、設定されたゴール数を上回る(Over)か下回る(Under)か予想する。
Asian Handicap(アジアンハンディキャップ)
双方のチームに+、-のハンデを付けて、得点にハンデ数を加味して勝敗を決める。
Additional Asian Handicap(アディショナルハンデ)
ハンデ数を選んで予想する。Bet365のサッカーはこのオッズが豊富。
Additional Goal Line(アディショナルゴールライン)
ゴール数(Goal Line)を選んでOver/Underを予想する。
Total Corners(トータルコーナーズ)
試合中の総コーナーキック数が、設定された数値を上回るか下回るか予想する。
First Half Corners
前半の総コーナーキック数が、設定された数値を上回るか下回るか予想する。
1st Half Asian Handicap(前半ハンデ)
前半の結果にハンデを加味した上で勝敗を決める。その結果を予想する。
1st Half Goal Line(前半ゴールライン)
前半の総得点が設定された数字を上回るか下回るか予想する。
Draw No Bet(2way)(ドローノーベット)
Home/Awayの2択予想。引き分けの場合は返金される。
MoneyLine(マネーライン)も同じ意。
Total goals - odd or even(奇数or偶数)
試合の総得点がodd(奇数)になるかeven(偶数)になるか予想する。
Penalty - 90mins(PK予想)
ペナルティキックが発生するかどうか予想する。
マフィアが賭博目的にしかけるものが一般的と言われている。図式はこうだ。
まず、マフィアが選手の代理人を買収する。買収された選手の代理人は、選手に対して直接プレイの具体的な指示を行う。
例えば、ブックメーカーの賭けの対象が
試合開始後 どちらのチームが最初のスローインの権利を獲得するか?
であったらプレイの指示を受けた選手は、わざとボールのトラップミスを行い相手側にスローインの権利を与えるといったものでる。
マフィア側はスローインの権利獲得に投資。当然のように大金を稼ぐといった図式になっている。
このように世界のサッカーには、真っ黒な現実があるようだ。
現在、アギーレ氏の解任を受けて当たらな監督探しに日本サッカー協会は奔走している模様。
このような現実の中で生きてきた欧州サッカー経験者を日本代表の監督にする以上、これからは、八百長に関する調査に関しては徹底的に行っていかなくてはいけない。それは、正に日本国民全員が願うことである。